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2017.12.16
フェローホームズ高松の家、2年検査

東京都立川市に設計した地域密着型特別養護老人ホーム「高松の家」竣工2年検査を行いました。工事契約で記載された内容です。1年検査は、多数の問題点があり、かなりの改善、及び修理が行われました。今回は2年目で、思いのほか、指摘事項は少なかったように思います。私が一番気にするのは使われ方。設計意図と違う使われ方をしていると、何故かと考えさせられます。今の福祉業界は人で不足。スタッフの入れ替わりが多い業界です。法人幹部とも話をしましたが、なかなか人が集まらないとのこと。そのためか、設計当初協議したこと、目指したことがうまく機能していない部分も見受けられました。私は福祉施設を設計する際は、利用者を一番に考えます。そのため、スタッフからのクレームもたまに聞きます。働きやすいことと利用者の居心地が良いということは、相反することは、多くあります。今回の施設の場合は、床は全面的に特殊畳(福祉施設用)を敷いています。床座ができるように、転んでも怪我をしにくいように、自宅の延長と思えるように。でもスタッフの一部からは、掃除がしにくいとの意見も。福祉施設は、利用者によって育てられると私は考えています。理想論といわれればそれまでなのですが、少しでも良い療養環境は何か。日々考えさせられます。  茂木聡