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2019.7.26
福祉施設の増改築

老人福祉施設の新規作品を視察する機会があると、極力参加するようにしている。新築物件は、大方想定内の出来上がりと思う施設が多い。今年視察した特養の改修物件は、久々に感動した作品となっていた。栃木県にある築40年のRC平屋。典型的な特別養護老人ホーム。しかし、内部は大胆に改修が行われていた。外壁、屋根はそのままに、内部に新しく老人施設を造ったイメージ。コンクリートを解体した姿をそのままに、建築的にも良くできた作品。久々に、見ていて楽しくなった。運営も面白く、従来の老人施設の枠がないように思えた。新規に100床レベルの特養をつくると、土地代+建設費で30億円近くの費用がかかる。改修は土地代がかからず、運営は大変だが、合理的な考え方。これからの老人施設は、人口減少を考えると、なかなか建設は難しい。これからは改修も視野に各施設を検討して行きたいと考えさせられた。  茂木聡