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 コラム

2023.7.24

秋田市では、観測史上初となる大雨が降った。秋田市の中心部秋田駅の東側は、全面水没し、現在復旧作業が行われている。水害被害にあった住宅が、秋田市にある家屋の20%にあたるという。問題は、高齢者のお宅が多いこと。私が訪問し相談に乗っているお宅も後期高齢者夫妻。床下の泥を書き出すこと。乾燥させて、全面消毒を実施することをお話ししているが、年金暮らしでは、ハードルは高い。県では8万円の補助を出すといっているが、全く足りない。また、ボランティアを含めた様々な方が、手伝って出したごみの処理も間に合っていない。考えてみると、今回水没した地域は、川が氾濫した場所ではない。雨水を排水管が処理できなくなってあふれたもの。同じ雨量でも全く水が上がってないエリアが多い。だから秋田市に住みながら、被害に実感がわかない。今回水没したエリアは、急な開発がすすめられた地域。新しい街のため、一見整備がなされているように思えたが、実態はひどい状態であったことがうかがえる。今、秋田市では、外旭川地区という秋田市の外れの農業エリアを開発しようとしている。順番は、市街地の強靭化が先と考える。そのうえで、新規開発をすすめることが本来の姿ではないか。 茂木聡

2023.4.23

4月22日(金)JIA秋田地域会主催で、構造設計者 山田憲明氏の講演会が開催された。3年前に一度企画したが、新型コロナ感染症が全国に広がり、中止した企画。

コロナ禍も落ち着き、今回無事開催することができた。

木構造の権威であり、過去には、国際教養大学図書館、秋田ノーザンゲートブリッジ、フェローホームズ高松の家の設計で、仕事をご一緒させていただいた経緯がある。今回の講演の中で、最先端の木構造設計の今を見せてもらった。近年、都市木造が盛んに話題になり、個人的にはその価値性に疑問を持っていた。氏の講演を拝聴し、これぞ木造建築だ、このような建築を見たかったのだと思った。設計活動に非常に刺激をもらった素晴らしい講演だった。

2023.4.6

令和5年度は、大学卒業の新人を採用しました。会社に新しい風くが吹いています。仕事はどうしてもマンネリに陥りやすい。今年2月に1人中途採用し、4月に新人を採用。事務所を開設して14年。15年目を前に内部体制の充実を図っています。

以前、本コラムでも書きましたが、親しくしていた宮城学院女子大学教授厳先生が亡くなられました。52歳という若さ。3月に大学葬に出席、6月と7月には追悼式典が予定されています。ご主人の石井教授とも親しかったので、人が亡くなることの大きさを、改めて感じる日々です。

コロナ禍は大方おさまり、また以前の町に戻ろうとしています。しかし、何か穴が開いたような虚無感を感じます。人間関係が希薄になったよう。オンライン会議も増えましたが、なかなか真意が伝わらない虚しさ、いらだたしさ。

新しい世界だと思って、進むしかないのかもしれません。  茂木聡

 

 

2023.3.18

厳爽先生が亡くなったのは、昨年2022年12月6日、52歳という若さで、ご自宅でお亡くなりになった。病気が発見されてから約1年8ヵ月間。ご本にはもとより、ご家族の心中はいかばかりだったか、想像できない。厳先生との出会いがいつだったにか、はっきりは思い出せないが、東大に籍を置かれていた時代だったと思う。ご主人の石井先生とも親しくさせていただいたので、お二人がご夫妻であることは、年賀状で知ったことを思い出す。後に厳先生は宮城学院女子大学で教鞭をとられ、素晴らしい研究を続けてこられた。私が設計総合監修を行った三重県津市にある、国立病院機構榊原病院(精神病院)改修において、改修前と改修後の調査を依頼、昨年は病気を押して、改修後の調査を行われていた。3月16日宮城学院女子大で追悼式が行われ、参列した。いろいろな方が話す内容をお聞きし、「生きるとは」ということを改めて考えさせられた。故外山先生が再三繰り返して語られてきた言葉の一つ一つが今、思い出される。

ライフデザイン建築研究所は、4月からの新年度で開所15年目を迎える。厳先生にも弊社で講義をしていただいたことを思い出す。新たな一歩を踏み出すこと、強く考えさせられた。  茂木聡

2023.2.10

日本各地で設計活動をしていると、打ち合わせの労力が大きな問題となります。弊社でも、関東近辺に4か所物件を抱え、定期的に秋田から定例会議、各検査と現場を訪れます。オンラインシステムの性能が向上した関係で、国土交通省も試験的にオンラインでの現場検査を導入しています。当初はなかなか慣れなかったのですが、現在では必要な時に、いつでも打ち合わせができるようになりました。便利なツールです。半面打ち合わせの会議がやたら増えるということも起こっています。一方、施工現場の場合、実際に現地で見て確認したい内容もあります。もう少しオンラインシステムに合った会議方法を考えるべきではとも思います。

各団体との会議も、各地の会員を集めず、オンラインで会議をおこなうのが主流となりました。特に海外と連携する場合は、時差はありますがものすごい威力を発揮します。遠ければ遠いほど移動時間が無くなるメリットは大きいと感じます。しかし、一つの会議に20人程度参加した場合、会議の運営がむずかしいことも事実です。20人全員に意見を問うと一人1分としても20分かかります。議題が複数ある場合、すぐ予定時間がオーバーしてしまいます。また、議論がしにくいこともあります。相対(全員が同じ場所に集まって会議する)の場合は、その場で議論や協議に移行できるのですが、なかなかうまくいきません。最近は、様々な会議が相対に戻りつつあります。

大学でも講義が一時オンライン化されました。しかし同級生ができない、友達ができない等、様々な問題が露呈してきました。極端な例ですが米国の先進企業テスラの社長は、社員のオンライン化を禁じました。思うに適するものt、適さないものを、うまく分け、利用することだと思います。 茂木聡