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 コラム

2020.9.24

感染症が流行するたびに、老人福祉施設は面会禁止の処置を行います。これは、外部からの感染を防ぐ手段として、有効です。しかし、終の棲家を標榜し、看取りを行う施設にとって、果たして正しい姿なのか、疑問を持ちます。昨今では、WEB面会や窓越し面会等が行われていますが、人間本来の五感での交流は多くを阻害されてしまいます。実際自宅での見取りが増えています。家族に見守られながら、人生の最後を迎えることは、ごく自然ことと考えます。どのようにすれば良いのか、今現在、答えは持ち合わせていません。しかし、今の現状が長引くのであれば、見取りは、家庭に返すことや、施設の一部を開放し、家族が頻繁に会えることも考える時が来ているように感じます。自分が愛する対象が、最後を迎えようとしている時、また最期を迎えようとしている立場を考えると、施設側は、歩みだす必要が来ていると思います。このことを考えなければ、施設の存在は意味がないものになっていくでしょう。北欧では、かなり前から施設解体が進み、在宅ケアに移行しました。終末期は施設に入ることもありますが、日本のように介護度3から入所することはありません。安全という言葉は、施設運営者側の元気な人間にとっての免罪符のようにさえ思えてしまいます。 茂木聡

2020.9.3

ZEBは、CO2削減を目標に、省エネルギー対策を充実させた建築の総称です。今回は、ZEB Ready(省エネ、通常同規模施設のエネルギー使用率50%削減)+防災をテーマに、非常電源用として、太陽光発電+蓄電設備を装備した設計となっています。太陽光発電は、通常時は、施設の日常電力に利用されることから、実際には、60%以上のエネルギー削減可能な設計となっています。施設は、特別養護老人ホーム。80名の方がお住いになります。9月1日に開所され、順次入所を開始します。施設が完成してから約1っカ月、運転状況を見てきましたが、確実に省エネルギー効果が発揮されていることを実感しました。環境省の補助金から設備費等に充当されています。国土交通省は、省エネ基準を益々強化すると発表しています。次世代エネルギー施設が完成したことになります。来年度から3年間は、環境省に実績報告の義務はありますが、実態は、私も知りたいところです。ZEB化は、公共施設の場合、将来義務化されると言われています。日本が世界に対し発表しているCO2削減率は、国際公約です。弊社は、秋田県の建築設計事務所で初めてZEBプランナーの資格を得ました。これは、設計する建築すべてをZEB化するのではなく、ZEBの知識を利用し、無駄なエネルギーを使わない建築設計に応用することが目的です。新たな建築を設計する時、ZEBプランナーの目線から、設計をチェックすることができます。弊社の新たな能力として大いに活用していきたいと考えています。 茂木聡