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 コラム

2013.11.11

第7回社内研修会は、元秋田県立大学教授安原盛彦氏にご講演をお願いしていますが、もう一人、プレゼンする方が加わりました。秋田県立大学を卒業し、武蔵野美術大学大学院に進学され、現在は第一工房で活躍されている、斉藤啓輔氏です。11月16日(土曜日)15:00から安原先生のご講演、16:30から斉藤氏のプレゼンテーション、全体終了は、17:00を予定しています。お二人のコラボレーションをお楽しみください。 茂木 聡

2013.10.26

10月19日(土)14:00から第6回社内研修会を開催しました。今回は、弊社開設5年目の記念日にあたり、「開設5年セレモニー」として、特別記念講演という位置づけでおこなわれました。私にとって、建築設計の転機は何度かありましたが、その中で一番大きなものが、故外山義京都大学教授との出会いでした。師は50歳代前半で亡くなりましたが、私の心の中では今でも生き続けています。今回講師としてお迎えした大阪市立大学教授三浦研先生は、京都大学時代、外山先生の助手として活躍され、何度も様々な教えをいただいたこと、一緒に仕事をしたことを考え、特別記念講演は是非三浦先生にと考え、お願いし、実現しました。大変お忙しい中、大阪からおいでいただき、感謝申し上げます。また、同行された大学院生、辺美礼さんにも感謝いたします。 講演は、三浦先生が近年研究されているマギーズセンターの話を中心に人の生死とその環境について、昨年英国に研究にいかれた調査を元に話されました。最近では、マギーズセンターも日本でたまに聞くようになりましたが、その実態について、調査研究をされている方は、私の知るかぎりでは、三浦先生お一人です。マギーズセンターは、現在は、財団として運営されていますが、始まりは、建築家チャールズ・ジェンクスの奥様マギー(造園家)が癌でなくなられたことから始まっています。病院で癌を宣告され助からないことがわかったとき、人はどのようにあまりにも短い生を過ごすのか。マギーズセンターはその思いから相談所としての役割を中心に担っています。しかし、敷地は大病院の一角に建設され、造園と建築が一体となったもので、相談コーナーや図書室等を備えた小規模(280m2程度)の建物です。しかし、現在建設された建物がいずれも有名建築家の設計によるもので、どれもすばらしいものばかりです。そして設計者はボランティアで設計をおこなっています。いまでは、マギーズセンターの設計をすることがステイタスになりつつあるとのことでした。三浦先生が直接各施設を訪れ、調査された写真等を解説されました。トイレは泣く場所という定義や、色彩豊かな内装、建築と造園が一体となった景観は、すばらしいものでした。外山先生も生と死の建築、老人施設を調査研究し、世界的に有名になりました。そして、外山先生の助手をされた三浦先生も、生と死の建築、マギーズセンターを研究されている。建物の種類は違っても、根本的部分は同じであることを感じます。講演を伺い、本物を見てみたいと思っています。大変心に残る講演でした。 茂木 聡

2013.10.2

日本建築家協会東北支部秋田地域会主催の「フィリップジョンソンを語る会」が去る9月27日秋田キャッスルホテルで開催されました。私は、現地域会長という立場で、主催者として段取り、打ち合わせ等を行いました。佐々木氏、安田氏、そしてpaul氏。paul氏は日本語はほとんど話せません。事前打ち合わせを行い、座談会に望みましたが、言葉の壁を痛感しました。安田氏の巧みな通訳のおかげでうまく会は進行しましたが、当初もくろんだ、フィリップジョンソンそのものを語るという部分では物足りなさを感じた方も多かったと思います。しかし、ドイツ人であるpaulの語りを通して、その当時の時代背景、移民問題、ビザ等様々なアメリカ合衆国という国を感じられたこと、そして、建築家の力を感じ取ることができました。現在の日本における建築界の現状を考えるとき、そして自分を思うとき、今回の講演会は新鮮な感覚を与えてくれたように思います。講演会が終わった後、様々な方から、また同じような勉強会があればということをうかがいました。かなり強引に推し進めてきましたが、開催してよかった思っています。茂木 聡

2013.9.28

今回は、仙台から安田直民(ソイソース)氏をお迎えし、最近作や、アメリカ留学時代のお話をうかがいました。住宅等が中心の業務ですが、JIA東北住宅大賞優秀賞を2度受賞されるなど、活躍されています。震災前と震災後の話や、様々なプロジェクトのお話が聞けました。ディテールの緻密さ、素直な平面、質感のあるデザイン、どれもレベルの高いものばかりで、同業者として、大変参考になりました。また、アメリカ留学時代の話も面白く、IIT(イリノイ工科大学)のキャンパスや、その後アメリカで就職をしてからの話など、多岐にわたり、おもしろい内容でした。弊社の研修会の前日にはJIA秋田主催の講演会の講師もされ、連日の講師のお願いでしたが、お疲れのところ、エネルギッシュにこなされました。同業者のお話は、自分の仕事と比較してものが見えます。大変刺激になる講演会でした。 茂木 聡

2013.9.21

建設工事費の高騰が続いている。異常な値上がり。現在発注しようとする物件は、ほとんど入札不落が多数をしめる。施主が建物を計画して建設するまで、小さいものでも半年、大きいものだと数年の時間を要す。詳細な資金計画を行い、設計着手、しかし、この数ヶ月の値上がりは20%を超える異常なもの。そして職人不足、資材不足。一見好景気に見えるが、実際はあまりにも長く続いた不景気により、下請け業者の高齢化、倒産。メーカーの生産自粛が大きく影響している。建築の仕事量は確かに多くなっている。しかし、それを受注できる状況は、今の日本にはない。震災復興はますます送れ、7年後にはオリンピック。弊社では、民間工事であれば、発注時期をずらすようお勧めしている。補助金の業務について、補助金を出す行政側にいいたい。異常な状況下で、発注し、予算も超過し、工事のできも悪くするより、適切な工期、適切な単価で発注できるよう。税金を使う以上年度は守れというが、一番大切なのは、税金を適切に使うことと考える。半年もすると、現在の異常な事態は、ひとまず落ち着くと思われる。適切な配慮を期待する。 茂木 聡