Column
コラム
今年の熊による災害は、異常としか言いようがありません。弊社の本社がある秋田市の中央部、千秋公園は、秋田市が誇る市中心部に位置する城址公園。この公園に熊が出没して公園が閉鎖されている。隣接する劇場(ミルハス)、市立図書館や文化創造館は、秋田市の文化拠点として多数の市民が利用したり、観光客が訪れる場所です。出入口を減らしたり、自動ドアをやめて、手動にしたりとの対策を行っていますが、影響は計り知れない状況になっています。様々なイベントが中止や延期となりました。県知事は、自衛隊に援助を求め、国も対策に乗り出し始めたようです。しかし、全国的な世論はいまだ、大げさだという風潮があるようで、自衛隊は大げさだとか、熊を殺すのはかわいそうという論調も多数見受けられます。現実は、えさ不足と熊が繁殖しすぎて、人間の生活圏に入ってきたことによると考えます。昔は、熊は人間を見ると逃げ出したのですが、最近は人間を恐れなくなり、餌とさえ思っている感があります。「自然との共存」言葉は素晴らしいですが、現実には難しい問題を多数秘めています。秋田県の場合、人口減少により荒れ地が増えたこと、太陽光発電のため、山が大規模開発されたこと、陸上風力発電装置が多数建設され、森林が伐採されたこと等があげられます。そして、熊の繁殖力がすごい事への、適切な捕獲をしてこなかったこと等が重なった結果と思われます。熊が冬眠するのは、冬場餌が無いため。餌があれば冬眠はしなくなります。このままでは、市街地のごみ箱や、放置された畑等が餌の補給源となり、冬場も熊が多数市街地に出没する可能性があります。アーバンベアと言われる熊が、増えることは想像できます。農政大臣が新にフェンスの設置等の発言をしましたが、これは常識的に考えても不可能な話。頭数を押さえるしか方法は無いように考えます。 茂木聡
