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2020.1.21
高齢者の住まいについて考える。(1)ユニットケア

住まいは、衣食住といわれるように、大変大切な要素です。しかし、住という行為、日常生活では、ほかの要素に比べると、あまり大切にされていないように思います。 特に高齢者にとって、自分の居場所としての住まいがクローザップされます。老人施設は様々な研究の結果、ユニット型個室が重要視されるようになりました。ユニット型個室の根本的考え方は、自分の居場所が確保されつつ小さなコミュニティーで生活するという考え方です。適切なコミュニティーの大きさは、人それぞれ、決まりはありません。しかし、日本にユニット型老人施設の考え方を導入した、故外山先生は、日本人にとっては7~8人程度だろうと発言しています。個が確立している北欧では4~5人だろうとも言われました。人数が少ないとより密着した人間関係が成立することか、そして先生がスウェーデンで研究してきた結果から導き出された数です。現在のユニットケアは10人前後が通常ですが、これは、人間関係から導き出されたものではなく組織経営から、これ以上小さなグループは、経済的に難しということでできた数字です。私は自分が手掛けた施設を定期的に訪れていますが、10人というのはやはり中途半端だったということを痛感します。それは1ユニット内でお年寄りがグループ化している様を見ることがあるからです。外山先生が現在のユニット型特養を見たら、なんと発言されていたでしょうか。時々考えさせられます。