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2025.3.11
3.11に思うこと

3月11日は、東日本大震災のあった日。東北に住む者にとって、忘れることのできない辛く苦しい思い出。震災被害に関して、厚生労働省からの依頼で、福祉施設の被害状況調査を行った。車で走って見えた光景は今でも鮮明に思い出す。どこまで走っても同じ景色が続く。何もない。

小高い丘に登ってあたりを見晴らすと、古い墓地があった。墓地は被害を受けてはいない。すぐ近くまで津波が押し寄せた痕跡は確認できたが、お墓は昔のまま無傷。地域に住んでいた人に聞くと、昔も洪水があってお墓を安全な場所に建てるようになったとのこと。歴史上たった100年余前にも同じような津波が襲っていることを知った。3.11で流された地区は、以前津波で被害をうけた場所とのこと。人間の学習能力の無さとおごりを痛感した。現在、3.11による被害跡地復興作業はほぼ終了した。海岸沿いには景観を無視した馬鹿高い防波堤。これが答えなのだろうか。

毎年考えさせられる。(茂木聡)