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 コラム

2023.10.20

10月14日(土)秋田市のアルヴェで、日本建築家協会東北支部秋田地域会主催の講演会が開催されました。講師は白井晟一氏の孫にあたる、白井原太氏。原太氏の建築家として活躍する傍ら、祖父の建築をいかに存続させるか活動されています。今回の講演内容は、具体的活動と考えについて、お聞きできました。白井晟一は、建築界では孤高の建築家と評され、独特の作風で知られています。しかし、建築されてから時間がたち、解体されたものも多くあります。さまざまな存続運動も行われてきましたが、あまり成果はなかったようです。原太氏は、ご自身のネットワークを駆使し、個別に改修、生き続けられる建築として保存再生を行われています。講演ではその実際のお話しと様々な苦悩をお聞きできました。会終了後、懇親会の席で、様々なレアな話をお聞きしました。顧みて、自分が設計してきた建築は、おそらくかなり壊されたと思います。先日35年前に設計した診療所のオーナーから改修の連絡をいただきました。綺麗にお使いいただいている姿を見、うれしくなりました。解体されることは、建築の寿命が尽きたことですが、尽きた原因は何か、改めて考えさせられました。  茂木聡