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 コラム

2015.12.25

去る12月17日、東北工業大学(仙台)で建築系大学院生と学生を対象に、講義を行いました。テーマは「施設を通して生きること」。建築と人間生活を俯瞰し、人生について語るものでした。講義を通して感じたことは、皆まじめで、一生懸命メモをとる姿。どこまで思いが伝わったかは、解りませんが、人生の終末期について、考える機会になってくれれば、そして、親について考えるきっかけになってくれればと考えています。講義後半は、自分で住みたい最後の空間を題材に、学生を2チームに分け、議論し、発表してもらいました。様々な意見、議論を聞きながら、少しは伝わっているなと言う感想と、もう一歩踏み出した意見、そして表現力があればと思いました。省みて、自分が彼ら世代だったときは、同だったのだろうかと思いました。学生に講義することは、時々ありますが、刺激的であり、自分自身を見直す良い試す良い機会であると感じます。 茂木 聡

2015.11.24

去る21日(土)東北工業大学教授 石井敏先生の講演会が、弊社会議室で開催されました。「地域包括ケアと高齢者住宅」をテーマに、約2時間にわたっての講演、そのあと30程度質疑応答が行われました。近年急速に建設が行われているサービス付高齢者向け住宅(サ高住)を主題に、日本が抱える老人福祉問題とこれから、そして、フィンランドと日本の国民性の比較が語られました。サ高住は、国土交通省が中心となって建設を推進している、高齢者を対象とした住宅です。厚生労働省が主導する介護施設と混同され、様々な弊害も見受けられるようになって来ました。様々な業態があることは、ある意味選択肢ではありますが、見極めていかないといけないことを、3件の建築を通して語られました。私自身も概念としての違いは、理解していますが、現在建設が行われている多くのサ高住が果たして、どこに向かっているのか、何を目的にしているのか、日々疑問に思っていました。石井先生のお話は、非常にわかりやすく、明快に問題点をあげられました。しかし、答えがまだないことも語られています。どのような答えが出てくるのか、それは、私を含めた多くの関係者が十分議論し考えるべきことを、諭されました。答えを待つのではなく、答えを出していかなければいけない立場であることを認識し、講演は終わりました。内容の濃い非常に充実した時間となりました。 茂木聡

2015.11.16

既報の通り、11月21日(土)石井敏教授(東北工業大学)の講演会の内容が決まりましたので、お知らせします。テーマ「地域包括ケアと高齢者住宅」。高齢者住宅の最新事例を通して、介護施設との違いや介護施設の価値をあらためて考え直す研修会と位置づけています。近年、高齢者住宅が多数建設され、一部が介護施設と誤解されるような情況を呈しています。しかし、両者は、大きな違いがあります。それは、制度であったり、ケア側の対応であったり。いま、この両者の違いを整理し、将来に向けてより良い住宅、介護施設を考えることは、有意義だと思います。今回の、石井先生の講演は、非常によいタイミングであると考えます。講演会参加希望の方は、事務所まで連絡ください。5名程度は参加可能です。尚、講演会は無料です。 茂木 聡

2015.11.10

マンションの傾きから端を発した、支持杭のデーター偽装問題は、まだまだ終局はむかえないと思える。現在は、旭化成一社の問題となっているが、調査が進めば、別の会社からも、改ざんされたデーターが見つかる可能性がある。支持杭の場合、通常試験杭を立会いで行い、確認し、そのあとの杭施工は、工事監理が常駐監理体制でない限り、定期的に出されるデーターを確認する程度しか行われてこなかった。工事現場の管理を信頼し、確認印を押すのが常態化している。以前起こった構造計算書偽装問題も同様、構造設計者を信頼したところから、始まった。建築工事は、工事監理の立場では、様々な確認作業があるが、全数を確認するのではなく、抜き打ち検査的色彩が強い。意図を持ってデーターを改ざんされれば、通常見抜くことは難しい。問題を起こした原因は、工事予算、工期の両面が考えられる。大方の場合、近年の杭は、無駄がなく高性能なものになってきたため、受注生産が大方であり、想定した長さで施工し支持層の届かなかった場合、杭を再発注することになる。そのため、工期延長、工事費アップは避けられない。しかし、昨今の建設事情は、高騰しすぎた工事費の抑制、工期の短縮が大きな課題となっている。現段階では、いかに建設会社及び杭施工者と緊密な関係を築くかによることに尽きるかと考えます。 茂木 聡

2015.10.13

以前お知らせした、秋田市に設計した地域密着型特別養護老人ホーム「うぐいす城東」の調査が始まりました。東北工業大学石井研究室が行っています。調査員は、学生4名。10月13日(火)から16日(金)まで。利用者の動きの調査、ケアスタッフのタイムスタディー等盛りだくさんです。調査結果が期待されます。弊社では、過去に設計した福祉施設(主に老人施設)の調査を、大学に依頼し、調査研究を行っていました。その結果は、運営ソフトも含め、新たな設計に役立ててきました。今回は小規模ということもあり、どのような結果が出るのか、楽しみです。昨日(10月12日)石井教授と施設内を久々に廻りました。利用者が、非常に安定しているように見受かられました。設計者は建物を造るだけではなく、将来の変化も含め、調査研究を行うことを弊社の基本姿勢としています。新たなプロジェクトも始まろうとしています。そちらでも調査研究をしながら設計を進めていく予定です。 茂木 聡