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2020.9.24
新型コロナ感染症と老人福祉施設

感染症が流行するたびに、老人福祉施設は面会禁止の処置を行います。これは、外部からの感染を防ぐ手段として、有効です。しかし、終の棲家を標榜し、看取りを行う施設にとって、果たして正しい姿なのか、疑問を持ちます。昨今では、WEB面会や窓越し面会等が行われていますが、人間本来の五感での交流は多くを阻害されてしまいます。実際自宅での見取りが増えています。家族に見守られながら、人生の最後を迎えることは、ごく自然ことと考えます。どのようにすれば良いのか、今現在、答えは持ち合わせていません。しかし、今の現状が長引くのであれば、見取りは、家庭に返すことや、施設の一部を開放し、家族が頻繁に会えることも考える時が来ているように感じます。自分が愛する対象が、最後を迎えようとしている時、また最期を迎えようとしている立場を考えると、施設側は、歩みだす必要が来ていると思います。このことを考えなければ、施設の存在は意味がないものになっていくでしょう。北欧では、かなり前から施設解体が進み、在宅ケアに移行しました。終末期は施設に入ることもありますが、日本のように介護度3から入所することはありません。安全という言葉は、施設運営者側の元気な人間にとっての免罪符のようにさえ思えてしまいます。 茂木聡