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Column

 コラム

2013.11.25
「かぐや姫の物語」と「源氏物語」

第7回社内研修会において、安原氏より、源氏物語と寝殿造りの講演をいただいたことは、前回のコラムで書きました。ちょうど時期を同じく先週末より、「かぐや姫の物語」(スタジオジブリ)の映画が公開されました。日本最古の物語といわれる「竹取物語」のアニメ映画化です。氏の講演のこともあり、見てきました。寝殿造りは現存している建築はありません。しかし、映画の中では寝殿造りの建築様が大画面に再現され、当時の人間模様も再現されていました。氏のお話と、映画の画面がオーバーラップして、大変面白く鑑賞できました。アニメがゆえにできたとも言えるでしょう。平安時代400年の歴史は、現代の私たちの想像をはるかに超える世界であったろうと思わされました。月と対比して闇が表現されている。それは源氏物語もあるいみ闇が主人公です。こうして考えてくると、日本人は、闇を恐れるのではなく、こよなく愛した人種なのだと感じます。建築と闇は日本建築の基本ですが、現代社会において忘れられつつある重要な要素に思えます。研修会において、安原氏と闇の解釈について議論じましたが、いま、本映画を見、あらためて、考えさせられました。 茂木 聡