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2017.7.3
前川國男の建築と弘前市民

6月29日(木)弘前市市庁舎及び市民会館の建築見学会うを開催しました。両建築ともリニューアル物件です。市庁舎については、増築をしながら改修を、市民会館は、休館してリニューアルした物件です。昨年、秋田県湯沢市になる白井建築(旧雄勝町庁舎)を残そうと運動を行って、結果、解体されましたが、弘前市は、良い建築は残そうという考え方を持っています。これは、行政だけではなく、市民の意識の問題が大きいと思います。前川國男は、上野西洋美術館で有名になったフランスね建築家ル・コルビジェの事務所で学び、日本に帰り、活躍した建築家です。弘前市に現在でも8件の建築が残っています。時代は少しずれますが、白井もドイツに留学し、日本に帰ってきた建築家です。湯沢市近郊に10件ほどの建築を設計した、日本を代表する建築家です。しかし、湯沢市の建築は解体され、現在は6件が現存するだけとなっています。市民意識の差といってしまえば、それまでなのですが、われわれ建築家は、今、何をするべきなのか考えさせられます。スクラップ&ビルドの時代は、過去のものになろうとしています。今一度足元を見直し、地道な活動が必要と考えます。  茂木聡