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2016.6.21
3.11震災後の釜石

昨日(6月20日)、震災後何回か訪問してきた釜石市に約2年ぶりに訪れる機会があった。震災復興で土木工事はいたるところで行われ、順調に推移しているように見えた。しかし、建築は様々な大規模計画の話はあるが、遅々として進んでいない。これは、釜石市の事情が大きい。いわゆる、企業城下町であることに由来する。新日鉄の大型工場が多数林立し、市の経済を支えてきた。市民の多くは、新日鉄となんらかの関係にある。街の中心地の土地も新日鉄所有が多い。市は震災を期に大規模な再開発計画を模索して、新日鉄側も全面的に協力する意向を示している。しかし、現実問題として、最盛期9万人規模を誇った市民の数も、いまや3万人程度に激減している。また、震災を期に移転した人々(住民票は釜石市)も相当数にのぼると言われている。このような状況の中で、果たして大規模な再開発は必要なのだろうかと疑問を感じた。全国的にコンパクトシティーが求められている現在、地に足のついた計画が必要ではないかと思う。