Column
コラム
2月23日、すみだ北斎美術館を見てきました。打ち合わせの合間ということもあり、駆け足の見学でした。北斎の作品は、以前、別の場所で見たことがあり、大変好きな作品群でしたが、今回は、建築を中心に見て廻りました。領国駅から歩いて7~8分の場所。駅の周りには,巨大な江戸博物館や国技館があり、ほくさい通りをいくと、突然公園の向こう側に美術館が見えてくる。とてもきれいな建築。近づいて行くと、金属パネルで覆われた外壁に切り込まれたような開口部。入り口は、建物の中央部にあり、四方からアクセスできる。しかし、見て気になったのは、初めての人は、入り口がわからない。おそらく、建物を一周して、しかたなく、スリット状の穴から中央部え進むと入り口が見える。小さな建築にもかかわらず、外部に後から設置された案内板。エントランスロビーは狭く、貧相。私見を述べると、何故これが北斎美術館、なぜここにという疑問が出てくる。「新しい風景をつくる」と雑誌に発表しているが、確かに新しい風景ではあるが、まったく似合わないデザイン。外壁のパネルも無理なデザインのため、きれいには納まっていない。施工には大変な労力を求められたであろう建築は、ただの金属の塊として存在している。 茂木聡
あけましておめでとうございます。弊社は開設8年目を迎えました。最初5年は、準備と成長の時、後5年は熟成の時と考えて、事務所を運営してきました。今年は熟成の最終段階と位置づけています。これが終わればワンステップアップにつながります。 旧年中は、いろいろな面で皆様にお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。 茂木 聡
建築学会の作品審査で、弘前市にある前川國男設計の弘前市民ホールを視察した。弘前市は、前川建築が多数残っていることから、市民が要望して、市に保存を呼びかけ、市も応えて、改修保全を行っている。今回は、機能的全面改修とデザインは設計当初の状態に戻すため、前川事務所に依頼、大規模改修を行ったものである。市担当者いわく、あと50年は使いたい。空調関係は全面改修、バリアフリー化をはかるため、目立たない場所にエレベーターを設置、トイレ改修、デザインは建設当初に戻すため、家具、色彩、建具、手すり、緞帳等を全面的に取り替えたり、補修している。完成した姿は、エレベーターはもとからあったように見え、すべてが、なじんでいる。ものすごい労力を掛けた結果であろう。最近では、前川建築ツアー等も行われ、市民の意気込みが感じられる。秋田県湯沢市に現存する白井建築群。今、旧雄勝町庁舎は、7千万円も掛けて解体されようとしている。公共工事として解体し、駐車場にするためとか。前川事務所の橋本所長と話をした。市民がどのような意識を持つかが大切。建築家がいくら騒いでも無理とのこと。民度の差ということになるのだろうか。寂しい限りである。 茂木聡
12月2日「あさひ苑」10周年記念式典に招待されました。時々訪問している施設です。設計当初「消える建築をめざす」をテーマに建築は、地域の石材を外壁に積み、外壁色は、地域の土の色アースカラーを採用し、庭園は山本先生の設計による、地域に生えている植物を植える、育てるをテーマに、全体を構成した建築です。建物は、日本医療福祉建築賞を受賞、庭園はランドスケープ大賞を受賞、内外ともに日本を代表する施設として、オープンしました。10年の月日が、見事に「消える建築」を具現化していました。雑木林の中に施設が曲がりくねったように建っています。私が手がけた建築の中では、最高傑作のひとつだと思っています。そして、施主にとても愛されています。講演会でも話しましたが、私は設計活動を行ってきて、10周年記念の会に招かれたのは、おそらく初めてのことだと思います。とても素晴らしい体験をすることが出来ました。施主の亀岡様はじめ、施設長、スタッフの皆様に感謝します。記念講演会では、山本先生が庭園の変化を題材に10年を語り、私は福祉施設の変遷とあさひ苑の位置づけ、栄養士の金谷先生は、最近の食事について、世界の潮流を語り、最後に橘先生が、あさひ苑の調査研究結果を説明されました。各講師とも非常に面白い話で、充実した講演会になったと思っています。また訪れたいと言う強い思いを持ちました。 茂木聡
7年ほどまえから関わってきました、埼玉県さいたま市の介護老人保健施設七里が、無事竣工式(11月25日)を迎えました。式典では、終始和やかな雰囲気。いろいろな家具が搬入された建築家は、設計者が思い描いていたものと、また違う顔を見せていました。来月早々開所とのこと。スタッフの募集が急務とのことでした。式では、稲庭理事長より、お褒めの言葉をいただきました。これからどのように使われていくか、見守って生きたいと思います。
