ホーム > コラム

Column

 コラム

2014.1.6

1月6日(月)仕事始めです。今年の秋田の正月は、雪が無く穏やかでした。仕事始の日に急に雪が降り、初仕事は雪かきとなりました。今年は、どのような都市になるのでしょうか。新聞各紙は、景気回復を中心とした、概ね良い方向に進むような、評論が目立ちます。しかし、建築設計をおこなっている立場として、民需はまだまだの感があります。建設においては、消費税が織り込み済みのためか、今年6月頃から、仕事が減る傾向にあるよう感じます。いくら公共事業を増やしても、民需が増えなければ景気回復とは言えないでしょう。昨年は、急激な仕事の増加に建設業界は対応し切れませんでした。しかし、先の心配から、雇用を増やすまでにはなかなか踏み切れません。弊社は、大卒新人を4月から迎えます。厳しいと思われるから、あえて会社を前向きにするため、採用を決定しました。新年の挨拶において社員に、一歩前に出ろ、前向きになれ、マンネリ化するなと訓示しました。社員一同今年もがんばる所存です。皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。 茂木 聡

2013.12.30

2013年は大変な年でした。急激な建設ラッシュ。資材や人件費の高騰。いまだ設計が完了し、発注できない物件もあります。異常な状況というほかありません。この中で、いかに作品の質を保つか、問われているように思います。来年は、急激な建設不況も考えられます。あまりに高くなりすぎた工事費、消費税前の駆け込み等、この影響が来年大きく建設市場に影響を与えるように思えます。公共事業は、国の方針として、出し続けるようですが、日本の建設市場は、民間が半分以上、場所によっては8割を占めます。公共投資は、一見好景気に牽引するかのように見えますが、今回の場合、民間投資を低く抑える方向に働くように思えます。急激な変化は、今の日本の建設事情では対応できないほど、疲弊しています。政治は、もっと長いタイムスパンで考えてくれることを望みます。来年は弊社にとって、大きな分岐点となりそうです。新卒の新人も入社します。現状から一歩前進した場所に移動しなければ、大変な状況になりそうです。この業界に入って30余年、今迄で一番危機感を覚えます。上滑りにならないよう、地に足を付けて、がんばって生きたいと思います。 今年1年の皆様の応援に御礼申し上げます。また新年が、皆様にとっても良い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。来年も本年同様よろしくお願いいたします。 茂木 聡

2013.12.18

12月になると、忘年会シーズン。12月17日は、恒例のPIA+LD(ライフデザイン建築研究所の略称)の合同忘年会でした。2社は一軒のビルを2社でシェアしています。お互い同じ建築設計事務所。ジャンルも似ていて、日々仲良く仕事をおこなっています。建築設計の手法は違いますが、話あえる仲間がいることは、ありがたいことです。今回が5回目となりました。総勢14名。お互い苦しいときを生き抜いているという連帯感があります。建築設計は、孤独な作業です。一見パブリック的業務に見えますが、じつに地味な作業の連続です。個人の力量が問われます。 忘年会をおこなうと、お互いの考え、悩み等が話しやすい。2社でおこなうと、ますます話しやすい。そのようなことで合同忘年会をおこなうようになりました。また来年も同じように楽しく忘年会が迎えられることを願います。

2013.11.25

第7回社内研修会において、安原氏より、源氏物語と寝殿造りの講演をいただいたことは、前回のコラムで書きました。ちょうど時期を同じく先週末より、「かぐや姫の物語」(スタジオジブリ)の映画が公開されました。日本最古の物語といわれる「竹取物語」のアニメ映画化です。氏の講演のこともあり、見てきました。寝殿造りは現存している建築はありません。しかし、映画の中では寝殿造りの建築様が大画面に再現され、当時の人間模様も再現されていました。氏のお話と、映画の画面がオーバーラップして、大変面白く鑑賞できました。アニメがゆえにできたとも言えるでしょう。平安時代400年の歴史は、現代の私たちの想像をはるかに超える世界であったろうと思わされました。月と対比して闇が表現されている。それは源氏物語もあるいみ闇が主人公です。こうして考えてくると、日本人は、闇を恐れるのではなく、こよなく愛した人種なのだと感じます。建築と闇は日本建築の基本ですが、現代社会において忘れられつつある重要な要素に思えます。研修会において、安原氏と闇の解釈について議論じましたが、いま、本映画を見、あらためて、考えさせられました。 茂木 聡  

2013.11.19

11月16日土曜日、第7回社内研修会がおこなわれました。今回は、元秋田県立大学教授安原盛彦氏を講師に迎え、氏の新著「源氏物語 男君と女君の接近」(河北新報社)をベースに寝殿造りの建築様についてお話いただきました。寝殿造りは現存する建築が無いので、様々な文献から氏は寝殿造りの空間を源氏物語から読み解くという方法論であらわしています。氏の語りから平安時代400年の生活、建築が見えてくるような大変面白い講演でした。我々建築家は建築、空間を日々想像し模索しています。講演から、自分の歴史認識の欠如からくる表面的な建築を造ってしまっているふがいなさを痛感しました。改めて、歴史の重要性を痛感しました。 講演に先立って、現在第一工房に勤務する、安原先生の教え子のプレゼンテーションがおこなわれました。まだ事務所に入って4年目とのこと。がんばっている姿を拝見しました。 茂木 聡