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2015.5.23
JIA東北支部講演会に参加して

5月21日仙台市において、(公社)日本建築家協会東北支部総会が行われました。私は、支部役員でもあるため、参加しました。記念シンポジウムは講師は三分一氏。特異な建築の世界観を持っている人で、雑誌等では理解できない方でした。講演を聞き、感動しました。建築家の話は、一般にあまり面白くありません。しかし、彼の話は、自然から導き出されるエネルギーを詳細に検討し、建築に応用しているスタンスが明快で、説得力のあるものでした。水蒸気、風、太陽、日常意識することも無く、当然目の前にあるものに、焦点を当て、深く追求する姿は、建築家というよりは、研究者と呼んだほうが自然に思えました。近年太陽光発電等が脚光を浴びる中、もっと根源的に太陽光の力を利用した自然エネルギーは、ソーラーパネル等をあざ笑うかのように、心に響きました。「バケツ1杯の水を空まで持ち上げるエネルギーは、莫大で、日夜雨を降らせる太陽の力はすごい」と言う言葉は、今はやりのる自然エネルギーがあまりにも幼稚に思えてきます。彼の出身地は広島。原爆が落とされて、破壊された町が、よみがえったのは自然の力と言う言葉も、説得力がありました。現在、瀬戸内海の直島でプロジェクトが進行中とのこと、有名になった犬島の博物館と合わせて、見学してみたいと思わされました。 茂木 聡