Column
コラム
3.11 東日本大震災から5年がたちました。被災後現地を訪れた時の思いは、今も忘れられません。破壊、壊滅、どのような言葉を使っても表現できない姿。これが自然と言うものの脅威だと思わされました。人間の考えた防波堤や建築は、子供だましであることも。現地は復興真っ最中です。巨額の国の投資の元、再建が進められています。復興を援助することに反対はありません。しかし、現地で被災した姿を見、過去の津波や震災のことを聞くにつれ、果たして現在の復興しようとしている姿が正しいのか、考えさせられます。無理やりかさ上げした地盤が、これから何十年後、同じ災害を起こしてしまうのではないかと言う危惧、その時その時の最善の策と考えられた対策が、ことごとく壊された結果を考える時、現代の技術は違うと言い切れるのか。建築の設計に関わっていると、地震の度に強度はましていきますが、被害は続いています。軽度の地震であれば、確かに昔よりは強くなっていますが、強度(よく想定外といいますが、想定外は何を指すのか)が増しても、大きな地震が起これば、壊れている。最近の構造計算の考え方は、私にとってはおかしいと思えることも多々あります。理論上正しいのでしょうが、理論を越えるエネルギーにより壊滅的被害を受けた3.11をどのように考えれば良いのでしょうか。耐震、免震、様々語られています。しかし、もっと原点に返って、良い地盤に安定した構造を構築することが一番良いことではないでしょうか。これは、自然の摂理に迎合する構造となりえます。机上の理論は、おそらく、未来永劫改定され続けていくと思います。もう少し人間は、素直になるべきではないかと考えさせられます。 茂木 聡
昨年末から、国立病院機構、榊原病院(三重県津市 精神病院)改修の監修をしています。監修という立場は、発注者側(今回の場合、国立病院機構と榊原病院)と受託する設計者及び、工事が始まれば、病院側の立場で、設計者、施工会社を監理監督する業務です。通常日本では、置かないポジションです。全体を統括する役割と理解したほうがわかりやすいでしょう。毎月2回、現地で打ち合わせを行っています。設計者選定(プロポーザル)の審査も行いました。自分の知識だけでなく、いろいろな意見を整理し、皆をつなぐ役割をしていると、大変勉強になります。特に設計者が決まり、具体的作業になってくると、私自身、設計者であるため、自分の意見を押し付けてしまいそうになることもあり、注意しています。本業務は精神病院の改修という業務で、改修結果により、スタッフや利用者にどのような変化が起こるのか、大変興味を持っています。今回、宮城学院女子大学教授、厳先生を中心に、調査研究を行うことが決まりました。日本では、改修工事そのものがあまり大切に思われてこなかった経緯もあり、既存財産の効率的且つ効果的活用を目指す意味で、本調査結果にも、大変興味を持っています。まだ、基本設計の段階ですが、面白い案も提示され、これからが、楽しみです。 茂木聡
明けまして、おめでとうございます。本年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。 弊社は1月5日(火)より、平常業務を開始いたしました。今年は、「躍進」をスローガンに、社員一同がんばります。 今年後半には、開設8年目となります。実りある一年となるよう心がけます。 茂木 聡