Column
コラム
世界的建築家「安藤忠雄」展を国立新美術館で見てきた。現役の建築家を大々的に国立美術館で展示するのは珍しい試み。見学に行って驚いたのは、若い人たちがものすごい人数見に来ていること。長蛇の列。どの作品も見るのが大変。世界的絵画展に来ているような錯覚。私が見たかったのは、原寸大に作られた教会。確認申請まで出して、屋外に作った教会。雑誌の写真では何度か見ているが、本物は見ることができないため、特別に安藤氏が作ったという。原寸模型ではなく、本物をコンクリート打ち放しで作った。空間体験としては、思ったより小さい感じ。よくできている。しかし、建築は使われて初めて価値が出るもの、見ていて、素晴らしいのだが空間の感触がやはりレプリカと感じさせる。しかし、これだけ人を集めたるのだから、建築も捨てたものではない。 (茂木聡)
設計プロポーザルコンペが、ここ数ヶ月、各行政から多く出された。設計者としてはありがたいことではあるが、参加条件が厳しいこと、審査員が公表されていないことも多く、審査内容が密室化していて、結果に疑問を感じることも多い。私の会社は、開設して8年のため、事務所の実績は少ない。そのため、参加条件を満たすことは難しい。個人的には十分な実績はあるのだけれど。私自身、プロポーザルコンペの審査員をやることもあり、その場合は、審査の目的、方法を明確に参加者にわかるようにしている。審査員が匿名だと、何を求めているか、提案内容を考える時、悩む。審査方法で多く採用されているのが、実績点、設計見積価格、それに提案。見積価格が重視されていることもあり、だったら入札にすればと思うこともある。何事も勝たなければ意味はない。しかし、コンペに参加することで、頭の体操になることも事実で、大いに勉強になる。感謝しつつも、勝てないことに愚痴もでる。 茂木聡
東京の新国立美術館でジャコメッティ展を見てきました。9月4日までだったので、仕事の合間を縫って、見学しました。いろいろな展覧会を見学してきましたが、これほど感動した展覧会は、初めてでした。写真での知識しかなかったため、小さい作品が多いイメージでしたが、実物はある意味巨大に思える作品もありました。作家曰く、真実を表現しようとすると、作品がどんどん小さくなってしまうとのこと。確かに小さい作品も多数展示されていましたが、興味を引いたのは、大きな展示物。3mはあろう人物像は、ものすごい迫力でした。苦悩に満ちた姿、極限まで削り取られた形態、作家は一体何を言いたかったのか、考えさせられます。見事な形態は、犬と猫で一番発揮されているように感じました。犬は陋見であろう姿でつかれきっている。猫は、何事にもお構い無しに生きている。この2匹の動物を見たとき、ジャコメッティの目は真実を透かしてみていることを、痛烈に感じました。犬は完全に私の中に生きている犬であり、猫は完璧に私が知っている猫でした。やはり人間もそうなのでしょう。強烈なインパクトを受けた作品展でした。 茂木 聡
舞鶴市に各種打ち合わせのため、訪問しました。京都にはかなりの回数行っていますが、舞鶴市は初めてでした。若干空いた時間で、「舞鶴引揚記念館」を訪問しました。ユネスコ世界記憶遺産に登録された品々が展示されています。私が一番驚いたのは、恥ずかしい話ですが、引揚げが昭和33年まで行われていたことです。私はすでに生まれています。しかし、私自身戦争体験も無ければ、その名残もほとんどない時代に生まれてきたと思っていました。しかし、事実は大きく違っていたということ。カルチャーショックをけました。自分の無知さに。今、北朝鮮のミサイル問題が騒がれています。この記念館を見ると、戦争の痛ましさを改めて実感させられます。この年になっても知らないことだらけであることを、再認識しました。 茂木聡
去る7月2日(日)16:00から、社会学者上野千鶴子氏の講演会を終えました。今回は、私が所属する(公社)日本建築家協会東北支部秋田地域会主催の事業です。建築系の話を中心とした内容でしたが、一般市民を含め、160名もの方々がお集まりいただき、盛況に終わりました。上野氏は、社会学者でありながら、建築にも大変造詣の深い方です。過去に私が設計した老人福祉施設、秋田県の施設と東京都立川市の施設を視察いただいた経験があります。視点が私達と違い、鋭いご指摘て、をいただいたことを思いだします。建築の設計は、施主との協議が、一番大切となります。しかし、施主が誰なのか判らない場合があります。たとえば公共施設。発注者は知事や市長ですが、利用者は県民であり市民です。どちらが施主なのだろうかと考えさせられます。上野氏の講演は、それらを踏まえ、切り込まれたのだと思います。講演会が終わって、様々な方から、意見や感想をいただきました。立場により、聞き方も違います。機会があれば、感想等を一度まとめられればと考えています。 茂木聡
