Column
コラム
弊社が7年前から関わってきた、さいたま市の介護老人保健施設「七里」が10月一杯の工期で、無事10月21日の施主竣工検査をうけ、竣工引渡しをご了解いただきました。オープンは、12月1日の予定。入所者100名デイケア30名の規模、鉄筋コンクリート3階建て。敷地は市街化調整区域のため、手続きに多大な時間がかかり、竣工を迎えました。狭い敷地に雁行するように建設、建築面積も基準一杯、高さ制限も基準一杯とかなり難渋した設計でしたが、中庭の一番重要と位置づけた場所に、作庭家、重森先生設計の石庭を配し、心の遊びとしています。先日、写真撮影のため、建築写真家と一緒に玄関を入ると、オーと言う声。ドアが開いた瞬間、石庭が目の前に。少し右側には狭いながらも和風の相談コーナー。全部で10ユニットにテーマカラーを決め、家具、手すり、ドア等にアレンジしています。各所に様々な遊び心をちりばめた建築となりました。これから家具が入り、利用者が住みだす。一番緊張する時期です。うまく機能してくれればと願いながら、オープンをまちます。 茂木 聡
弊社は、設計に関わった建築のアフタフォローとして、竣工物件の3割を調査研究することを目標としている。昨日(10/11)は、宮城学院女子大学を訪問し、精神科の建築空間研究をされている厳教授を訪れ、調査研究の中間報告並びにこれからの進め方を協議しました。現在私が関わっている国立病院機構榊原病院(精神科単体病院)の改修にともなって、改修前と改修後の比較をしたいと考え、厳教授にお願いしたのが始まりとなっている。昨日のメンバーは、国立病院機構のメンバーと私の3人で訪問しました。精神科病棟の建築空間は、ほとんど研究が行われていないのが実態で、今回の研究では、スタッフと患者の改修前と改修後の変化を具体的に解析し、設計意図が良かったのかを確認することを目的としている。これから数年がかかるが、どのような結果がでるか、またれる。 茂木 聡
日本を代表する建築家の初期の作品群がある秋田県湯沢市(現存7件)、市が保有する旧雄勝町庁舎の解体が、正式に決定しました。日本建築家協会、日本建築学会等の団体が、保存を市に進言し続けたことも、意味なく、解体が決定しました。解体後は駐車場にするとのこと。まったく意味不明です。湯沢市の対応が以後議論され続けることになるでしょう。無知なる故の決定です。同じく前川作品が8施設残っている弘前市は、市を挙げて保存改修を行っています。全国から見学者も多数訪問しています。この違いはどこから来るのでしょうか。前述のコラムで建築審査について触れましたが、審査会に前川氏設計の文化会館改修も提出されていました。作品として、市民の寄付や市の予算等で、建設当時に直す改修です。市民の問題、行政の問題と言うのは簡単ですが、考え方があまりにも違いすぎる。これが民度と言うものでしょうか。前川氏、白井氏、知名度は確かに前川氏に軍配が上がります。しかし、作品のオリジナリティー、デザインの習熟度は、白井氏に軍配を上げる人は、多いと思います。それほどの価値のある建築を、駐車場にするために解体するという発想は、どこから来るのか、同じ県民として恥ずかしく思います。 茂木 聡
10月1日(土)せんだいメディアテークにおいて、日本建築学会東北支部主催、東北建築賞作品審査ヒアリングが行われました。私は審査員として2年目の参加です。今年は作品数が多く全部で33作品。すべてのヒアリングを行い、現地審査する作品を15点ほどに絞る作業が行われました。最終的には優秀作品8点程度に絞る、最初の審査です。昨年から見ると、作品数は増えたのですが、質的には、昨年度のほうが高かったように思います。朝9時から夕方5時までヒアリング、その後、審査員で、協議、長丁場でした。どうしても、自分の専門分野である医療福祉のジャンルになると、審査も厳しくなる傾向があります。審査員どうしの好みも関係してきます。ヒアリングのうまさ、資料の表現のうまさが大きく影響します。現地審査では、施主、設計者同席のもと、審査が行われます。審査員は最低2人以上。来年1月の最終審査会は、審査員どうしの激しい論戦となります。今年度はどのような結果になるか、楽しみです。 茂木 聡
大学の長い夏休みは、学生のインターンシップが多く行われます。弊社にも、今年は3人の学生がきました。秋田県立大学大学院生、室蘭工業大学学部生、新潟大学学部生。最近は、大学では単位認定したり、大学院では、1級建築士の受験資格に影響したりと言う理由で、盛んになったようです。私が学生時代は、将来設計事務所に行きたいと思う学生は、ほとんどが設計事務所にアルバイトに行っていました。その変形版と考えればよいのでしょう。しかし、アルバイトの場合は長期間、継続することで、仕事の内容や大変さを学ぶことになりますが、一般に、インターンシップは2週間程度、受け入れ側も会社の仕事のおさらい程度となってしまいます。毎年受け入れて、考えますが、期間が短すぎる。制度自体が形骸化してしまっている等の問題点を感じます。しかし、受け入れ側に会社にとって、良いこともあります。20代前半の学生が出入りすることで、社員の刺激になること。インターンシップ制度自体は賛成ですが、もう少し現実に即したものになっていくことを願います。 茂木 聡
